Last modified: Mon Apr 04 02:34:35 JST 2005

名刺というもの

ソフト業界の末端では名刺はあまり役に立たない。
というのも本当にそこの社員かどうか判ったものではないからである。
実際、私が自分の名刺を使う機会は飲み屋のねーちゃんに渡して話のねたにする、 本当に直接取引きをするお客さん (つまりはそこの事情を飲み込んでいる社長さん)くらいなものだ。
名前なんかどうでもいいから仕事を期日に上げてもらえばよいのである。

では、なぜそのような役に立たない名刺を使わなければならないか。
これが、世の中の会社の通例であるからだ。
つまりは信用がおけるかどうかを名刺というもの (もっと言うとそこに書いてある会社の名前、役職)で判断しているわけだ。

さて、その通例のために困ったことが起きる。
私たちがいろいろ作業をする。 ほとんどの場合は問題なくこなしたと思って(ここらへんはまた後の話題)帰る。 たまに、問題が残ったとする。
当然、クレームは名刺の連絡先に行く。 しかし、契約が終了して本人はもういない、ということはよくある。 仕方なく本来の会社へ連絡を取る。ここでつかまれば、まだよい。
実は、さらに孫受けであったり、もう辞めてしまって在籍していない、 というのもよくある話である。
いきおい、直接問題が発生したお客さんと、その仕事を直接受けたお客さんの間で、 問答が始まるわけである。

ここで取り上げる問題は一点。
名刺を信じて仕事をさせたが、その作業者がいなくなったら尻拭いをどうする?

解決方法はいくつかある。

  1. 始めから自分のところで雇っている外注だと正直に身分を説明する。
    お客さんがある程度柔軟な考えであれば、これが一番トラブらない。 お客さん自体がある程度警戒して、 お客さん自体のチェックが活きてくるからだ。
    仮にトラブっても残っている人材でフォローをする体制になりやすい。
    しかし、そうはいかないところも多い。公的機関や、病院、銀行などがそうだ。
  2. 作業が完了した時点で、きちんとした検収を取る。
    つまり、後でお客さんに文句を言わせないようにするということだ。 この作業についてはこれで全く完了してしまっているので、 作業に関わった人物がいなくても次の体制で新たな要望として承る、 というわけである。後味がよくないが、事態はまだ前に進む。
  3. 作業内容を記録する。
    なんだ、当たり前ではないか、と思われるかもしれない。
    そう思われた方は、ぜひ、自分のところにおいてある作業記録を見ていただきたい。 その当時の作業の再現が出来るか、という点においては 意味のない記録が多いことと思う。作業の再現、または高精度の推測が出来るような 記録でないとここでは役に立たない。
    ここで求める記録とは、作業者本人でなくても誰かが代わって作業を再度遂行する、 または、その作業の継続を行うことの出来る記録である。記録を承認する側は、 記録者がいなくなるかもしれないというつもりで読めば、指摘も的確になるだろう。
つまりはその人間の作業のコピーをいつでも作れるようにしておくということだ。

現実問題、何れも難しい対応であることは言っている本人が自覚しているが、 トラブった時に被害を被るのは、実際に使っているお客さんと その対応にあたる会社である。 そこで揉めても話は前に進まない。トラブルはトラブルで解決して、 その後で責任を追及すればよいのである。 そのためには事前にトラブル回避/軽減の種をまいておかなければならないのである。

よく偽名刺を使う自分としては、このようなトラブルを引き起こさないように 充分に気をつけるのだが、起こってしまうトラブルに手を出せない状況に 置かれることも何度かあった。そんなトラブルを少しでも軽減させたいのだ。


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